5年前の自分に言いたい10のこと(アメリカ生活) - 第4回: 住居契約 -
家賃がえらく高い。。。
1. 物件見学
アメリカに赴任して最初の2週間くらいは、長期滞在型のホテルで寝泊まりしていました。
この間に住居探しを開始しました。
渡米前にインターネットで物件探しはしていたものの、
やはり実際に見学してみないと雰囲気がつかめないなーと思っていました。
また、当然のことながら土地勘もなく、治安など生活環境も分からなかったため、
シリコンバレーにお住まいの日本人エージェントの方に物件探しのお手伝いをおねがいしました。
最初は一戸建ても考えましたが、共用設備が充実しているアパートを探すことにしました。
アパートさがしで考えたことは、
- 治安が良いこと(コレが一番重要)
- 勤務先から30分圏内(もちろん、車で)
- スーパーマーケットなどのお店が近隣にあること(利便性を考えて)
- 部屋の構成は2ベッドルーム(ベッドルームが2つ、キッチン、リビング、の構成)
でした。
1日で4、5件の物件を見学して、室内や室内から外の景色、共有施設の写真をたくさん撮りました。
そしてホテルに戻って写真を見返しながら改めて頭の中で思い出そうとしたのですが、
いっぺんにたくさん見学したせいか、かなり混乱しました。
とはいえ、契約にもそれなりに時間がかかると聞いていたことと、
ホテルの滞在期間も限られていたので、
見学翌日までには決めてしまおうと思っていました。
2. 契約
最終的には「条件」を満たしていて、かつDeposit(デポジット:敷金)が$100と格安だったアパートと契約することにしました。
日本人エージェントと改めてアパートを訪問し、
Leasing Office(契約やアパート管理に関わる業務を行なっている受付)で
入居したいことを告げ、契約書類の提示を受けました。
Monthly Apartment Rent: $3190.00、ふむふむ、毎月の家賃のことか。
シリコンバレーの家賃の高さは全米の中でも上位にランクされていると聞いていたので、
驚きつつこんなものなのかというのが第一印象。
でも日本で家賃が31万円といったら、かなり良いところに住めますよね。
次に視線を移した先がTotal Deposits Required: $6176.00。
あれ?確か$100と聞いていたのだけど。。。
Leasing Officeの人の説明によると、
- 君(私のこと)は最近、米国の住人になった
- そのためクレジットスコアがない
- (クレジットスコアがない人は信用がないので)必要なDeposit(敷金)が高くなる
とのことでした。
ひえー、入居するのに初月の家賃と合わせて1万ドル近いお金がかかる!
日本円にしたら約100万円!
後になって日本円にいちいち換算して考えるのは意味がないということが分かりました。
ですが、この時は住居以外にも色々と出費が重なっていたので、
お財布の状況がかなり厳しい状況でした。
加えて事前の話と異なったので、余計にびっくりしました。
ちなみに「クレジットスコア」とは、その人のクレジットカードによるお金の使用状況を数値化したもので、
スコアがある程度の数値以上ないと、クレジットカードが作成できません。
クレジットカード社会のアメリカでクレジットカードが持てないことは非常に不便です。
クレジットカード作成までの道のりは、別の機会に語りたいと思います。
いずれにしても住居が決まったので、まずはホッとしました。
3. 今回の一言
「アメリカは契約社会だから、契約書は確認しておいた方がいいぞ。日本と異なることが多いから、後になって「そんなはずじゃなかった」ということにならないように」
ホッとしたのも束の間、住み始めていろいろなトラブルに見舞われることになります。。。
(第5回に続く)
「computer」は「コンピューター」?「コンピュータ」?
結論から言いますと、どちらも正しい表記です。
今回のトピックは以前から気になってまして、ふと思い立って調べてみました。
以前の職場で、業務ドキュメントを作成して先輩社員にレビューしてもらったところ、「コンピューター」という単語の最後の「ー」は削除して「コンピュータ」とするようにとの指導を受けました。
理由を尋ねたところ、
末尾の「ー」は漢字の「イチ(一)」と区別しづらいから
との回答でした。
例えば「コンピューター台」と記述されていた場合、普段「コンピューター」と書いている人にとっては「コンピューターを載せる台」と読むでしょうし、「コンピュータ」と読み取る人にとっては「コンピューターを1台」と理解するかもしれません。
さらに「コンピューター台を購入」という文になったら、購入するのが台なのかコンピューターなのか、誤った情報が伝わってしまう可能性がありますよね。
そこでGoogleで検索したところ、少々古いですが以下の記事を見つけました。
日本語の外来語表記、その中でも情報処理の分野については以下の告示、団体から異なる指針が出ているようです。
- 内閣告示第二号
- JIS(日本規格協会)
「コンピューター」は内閣告示第二号、「コンピュータ」はJISに沿った表記方法です。
マイクロソフトといった大企業も、このような指針がある中で表記方法の検討をしていたようです。
私の前職はIT企業でしたので、JISの指針に沿っていたのかもしれません。
先輩社員の方がこれらの指針を知っていたかどうかは分かりませんが、実務観点で考えますと「イチと間違え易い」という説明も、もっともな理由だと思いました。
皆さんは普段、どちらの表記を使いますか?
また、どちらの表記を見ることが多いですか?
5年前の自分に言いたい10のこと(アメリカ生活) - 第3回:スーパーマーケット -
第3回はスーパーマーケットでの出来事です。
食材や生活に必要な物を買うために、「Whole Foods Market」というスーパーマーケットに行きました。
1.「Whole Foods Market」とは
アメリカ、カナダ、イギリスで店舗を展開するスーパーマーケットで、イートインスペースも併設されています。他のスーパーマーケットよりも値段が高めで高級志向といった感じで、お客さんも品の良い方が多い印象です。
ハワイにも店舗があり、日本国内で街を歩いていると時々「Whole Foods Market」のロゴが入ったエコバックを見かける事があります。
2017年にAMAZONに買収された後は、AMAZONプライム会員向けの割引サービス、AMAZON ECHOの店内販売などAMAZONと連携したサービスが目に付くようになりました。
2.買い物
さて、その日はアメリカ赴任の緊張が続いていて疲れていたのか、9時頃に起床しました。日本から持ってきていた食料も無くなってきていたので、食材とブランチを買いにWhole Foods Marketに行きました。
店内を見回した第一印象は以下の通りです。
- 店内の通路が広々としている(日本の3倍はあろうかと思われる大きなカートが楽々と通れます)
- 品物のサイズ大きかったり、量が多い(1ガロン=約3.8リットルの牛乳とかが売ってたりします)
- 食パンやシリアルの種類が多い(日本だと色々な種類の米が売っていますね)
総じて何もかもがビッグでした。
さて、ブランチは何にしようかと店内を見て回っていると、色々な食べ物を自由取れるビュッフェのような場所がありました。よくよく見てみると、どうやら好きな物を箱に入れて重さで金額が決まる量り売りコーナーでした。ご飯、パスタ、焼きそば(のような物)、肉炒め、野菜、などなどがあり、多民族国家のアメリカらしく色々な嗜好に応じれる品揃えでした。私は野菜、チキン、ライス、麺を箱に入れ、レジへと向かいました。
3. キャッシュバック?
レジでは私の前に並んでいた人に倣って、買い物カゴに入れていた食材や箱詰めした惣菜を小型ベルトコンベアのようなレジ台にのせました。レジ係の人は手際良く商品のバーコードをスキャンしています。全ての商品のスキャンが終わって合計金額が表示されたので、デビットカードで支払いをしようとしたところ、レジ係の人が
キャッシュバック?
と聞いてきました。
「キャッシュバック」と聞いて私の頭にとっさに浮かんだのは、
何かお買い得品を買ったので、いくらかお金が戻ってくる
でした。
ラッキーと思いつつ、一方でアメリカ生活が始まったばかりの自分は英会話がまだまだだという思いが頭の中でよぎり、もしかしたら聞き違えではないかと考え直し、
ノーサンキュー
と言って支払いを済ませました。
4. レジは小さな銀行
その後、スーパーマーケットに行くたびに「キャッシュバック?」という質問を聞くことになりました。ある時、いつもと同じように店員さんから「キャッシュバック?」と聞かれた際、たまたまデビットカードの読み取り機の液晶表示を見たところ、「$10」「$20」「$50」と表示されていました。勇気を出して「これは何ですか?」と店員さんに聞いたところ、必要な金額を銀行口座から引き出せるよ、とのことでした。
スーパーマーケットのレジで自分の銀行口座からお金を引き出せる?
何のことやら最初はわかりませんでした。
後々調べてみると、スーパーマーケットなどで支払いをする際に銀行が発行するデビットカードを使用すると、指定した金額のお金を自分の銀行口座から引き落として現金を手に入れる事ができることがわかりました。引き落とせる金額は最大で$50〜$100くらいですが、ちょっと現金が必要になりそうといった時は、買い物ついでに現金を引き落とせるのでとても便利です(しかも手数料も無しです)。
アメリカではクレジットーカードで支払いをする事がほとんどでしたが、それでも時々「キャッシュオンリー」のお店で現金が必要になる事がありました。そんな時、「小さな銀行」のシステムはとても助かりました。この便利なシステムのおかげで、現金を引き落とすために銀行やATMへ行くことはほとんどありませんでした(年に1、2回くらい)。
日本でも同じような仕組みが作る事ができれば、ATM待ちの行列が短くなるかもしれません。
5. 今回の一言
「好奇心を持って他にも便利な仕組みを探して探してみろ。きっと今の仕事の役に立つはず」
(第4回へ続く)
読書感想:「家族写真の魔法」
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この本は、とある事がきっかけで人から頂いて読ませて頂きました。
読書前
本の表題の通り、家族写真の魔法とは何かという事が知りたくて読みました。私自身は子供の成長記念として年1回くらいは写真館に行くことはありますが、それ以外は旅先などで自分のスマホで撮るくらい。
読書後
家族写真は家族の結びつきを強くするパワーを持っているのだと思いました。この本で書かれていますが、写真館で写真を撮ろうと思ったら、写真館を選んだり撮影当日の服装を考えたり、家族で考えますよね。またスマホで撮るのと異なり、プロに写真を撮ってもらうわけですから、緊張や写真の出来に対する期待といった感情も入り混じるかと思います。でも出来上がった写真を見て、良い表情の瞬間を上手に撮ってるな(プロなので当然かもしれませんが)との第一印象から、その瞬間に家族みんなが一緒に同じ場所にいたことへの感動へと気持ちが遷移するのが不思議な気分です。我が家も年1回程度の頻度で写真館へ行くのですが、過去の写真を改めて見ると、その写真を撮った頃の思い出が頭に浮かんだり、あの時があるから今があるんだなと家族の成長を改めて感じたりします。写真はその一瞬を記録した「絵」とも言えると思いますが、家族写真は人の心を幸福にする力があると感じました。
その他
スマホで写真を撮る際のちょっとしたテクニックも載っていました。今まで撮影ボタンをタッチすることしかしていなかった私にとっては参考になりました。
5年前の自分に言いたい10のこと(アメリカ生活) - 第2回:ファーストフード店 -
第2回となる今回はファーストフード店での出来事です。
第1回でアメリカに上陸した時のことを書きましたが、到着したのがお昼の少し前だったのとお腹が空いていたので(着陸前に機内食は食べていたのですが。。。)、食事をすることにしました。
1. アメリカと言えば...
私の中では「ハンバーガ」とのイメージだったので、同僚イチオシのお店に向かいました。
In-N-Out Burgers(https://www.in-n-out.com/)
日本未進出のこちらのハンバーガ屋さん、同僚曰く、味が最高とのこと。話を聞いてみると、素材の新鮮さが売りとのことで、
・肉などの素材に冷凍物を使っていない
・フレンチフライは店内でジャガイモを切って油で揚げる
なので、肉などはお店近隣の地元から仕入れているようです。
後々、他のハンバーガ店にも色々と行ったのですが、In-N-Out Burgersは他と比べて味は良いのはもちろんのこと、店員さんが皆、生き生きとしていました。聞いた話では、店長さんの年収は1000万円を超えるそうで(別の機会に書こうと思いますが、シリコンバレーで年収1000万円は生活するのにはギリギリの年収です。。。)、店員さんの時給も比較的高いのではないかと思います。
余談ですが、英語の得意な方はご存知かと思いますが、「In-N-Out」の「N」は「and」の省略形で(「Rock'n Roll」の「n」と同じ)、「イナナウト」みたいに発音します(カタカナでの表記は難しいですね)。
2. 注文
マクドナルなどのハンバーガ屋さんと同様に、レジ前に並びました。レジの店員さんの頭上にメニューパネルがあり、
Double-Double
Cheese Burger
Hamburger
French Fries
Beverage
と表示されていて、さらに「Combo #1」(Double-Doube、French Fries、Beverage)といったセットメニューが書いてありました。何ともシンプルなメニューだと思った記憶があります。
そして私の順番となり店員さんに「#1 please」(「Combo #1」のつもりで言ったのですが、今考えれば何ともぶっきらぼうな言い方です。。。)と伝えたところ、店員さんから返ってきた言葉が
オニ.....
英語力には少し自信があったのですが、何のことか分からず一瞬思考が停止してしまいました。結局、問い返すこともできずに「Yes」と返事しました。
3. 「オニ...」の正体
その後、何度かIn-N-Outを利用したり多少現地英語に慣れてきた頃に、「オニ...」は「オニオンを入れるか?」と店員さんが言っているという事がわかりました。ハンバーガにはレタスとかチーズが挟まっているのですが、なぜオニオンだけ聞いてくるのかが未だ不明です。もしかしたら、オニオンの苦味が肉の味を邪魔すると考える人が多いのかもしれません。
ちなみにIn-N-Outはハンバーガのアレンジが色々とできます。お店のメニューは上述した通りシンプルですが、例えば炭水化物を摂りたくない人はバンズ(パン)をレタスに変えたり、オニオンの焼き加減、フレンチフライの揚げ具合も対応してくれます。多民族国家のアメリカならではといった感じで、個々の要望に可能な限り応えてくれます。
4. 過去の自分への一言
「自分に自信を持て。だが過信はするな。」
学校英語とナマの英語の違いを身をもって感じた出来事でした。
余談:
写真の左側は店員さんがかぶっている紙製の帽子で、店員さんに言えば貰えます。
(第3回へ続く)
5年前の自分に言いたい10のこと(アメリカ生活) - 第1回:アメリカ上陸 -
みなさんは海外生活を経験されたことはありますでしょうか?
旅行とは異なり、その地で生活すると言葉はもちろんのこと習慣も異なることから、驚きと面白さを感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。この連載では、私がアメリカで生活していた時に経験したことを振り返り、今の自分から過去の自分に対して言いたいことを通して、皆様の生活で何かの参考になって頂けると幸いです。また、皆様のご経験談など感じられたことをコメントいただけますと大変嬉しいです。
なおこの記事シリーズは、筆者がアメリカに駐在していた2015年〜2019年にかけて経験した内容に基づいています。現時点の最新状況と異なる場合がありますので、ご注意ください。
1. はじめに
今から5年前、会社の業務でアメリカのカリフォルニア州に駐在することとなりました。カリフォルニア州はアメリカ本土の西海岸(太平洋側)に面した州で(下図の赤丸)、州都は「サクラメント」という場所です。州の広さは日本の領土とほぼ同じで南北に伸びています。私の住んでいたところは1年を通じて温暖で空気も乾燥しており、過ごしやすい気候でした。
私自身は30歳半ばまで海外渡航の経験が無く、飛行機にすら乗った事がありませんでした。それから10年後に異国の地で生活することになろうとは予想もしていませんでした。
2. はじめの1歩
日本では秋の季節へと移り変ろうかという時期に、カリフォルニア州のサンノゼ空港に降り立ちました。サンノゼ空港は観光地として有名なサンフランシスコから車で1時間程度南下した場所に存在する地方空港です(下図)。こじんまりした空港だなというのが第一印象で、滞りなく入国審査をパスして空港の外に出ました。
「暑い・寒いが同居している」というのが気候で感じた第一印象です。日向に出れば強烈な太陽光で暑く、日陰に入れば低湿度のせいか寒いくらいの寒暖差があります。
*
皆さんはカリフォルニアには行ったことがありますでしょうか?
観光で行かれたことがある方でしたら、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴなどの都市、ヨセミテ、セコイアなどの大自然、ナパに代表されるワインなどが思い浮かぶのではないでしょうか。
サンノゼは「シリコンバレー」と呼ばれるIT(Information Technology)企業が密集する地域の南端に位置しています。ITに関わる仕事をしていましたが、「シリコンバレー」という名前は聞いた事があったものの、「サンノゼ」という地名は知りませんでした。とにもかくにもIT業界では「シリコンバレー」は超有名な場所で、Apple、Facebook、Googleなど日本でもお馴染みの企業の本社もここにあります。
*
さて、空港の外出た私は既にサンノゼで活動していた同僚に出迎えられて、彼の運転する車に乗り込みました。期待と不安が入り混じった中で、日本では見た事がないカリフォルニアの青い空が心に残っています。
3. 過去の自分への一言
「やっと海外で仕事ができるチャンスを得る事ができたな。おめでとう。だが、ここからまた新たなスタートだ。何事もとにかくエンジョイしろ!」
(第2回へ続く)
【改訂履歴】
2020年10月22日
本記事シリーズは2015年〜2019年当時に著者が経験したことに基づく内容である旨を追記。